2006年12月21日

愛国心と似而非(えせ)愛国心=愛国家権力機構(国家権力者)心

国家と国家権力機構とが日常意識で混同されているのにつけ込んで、国家権力の担い手や彼らと結託した支配階級は、しばしば「愛国心」の必要性を強調することによって、実際には国家権力の意思に従順な態度を正しいこととして国民に要求することがある。国家と国家権力機構とが国民の日常意識ではゴッチャになっているので、「国を愛する者は、現存の国家権力機構によって作られ維持されている法秩序を無条件に尊重すべきであり、どんな理由があろうとも現存の国家権力や法秩序に対して批判的反抗的な態度をとる者は、愛国心のない非国民である。」という彼らの論理を、多くの国民が何となくその通りだと信じ込まされているのが現状である。近ごろ政府与党や資本家や御用イデオローグが盛んに説いている愛国心とは、そのたぐいの真赤なにせ物である。
 正しい愛国心の対象である国家とは、「国土と国民と自分たちの国土の上に自分たちの手で築いた自分たちの文化と」であって、決して国家権力機構のことではない。そして、正しい法理論上国家権力機関から明確に区別され、法と実体を同じくすると考えられるところの国家は、国民が自分たちの手で築いた文化の一般的な存立条件としてその文化の土台なのであるから、愛国心の対象である国家の一部(国民が自分たちの手で作った自分たちの文化の要素)を構成する。だから、真の愛国者は、自分たち国民の善き法確信(したがってその根底をなす正義)を愛し、それ故にその法確信(したがって正義)に反する国家権力機構に対して、厳しい批判を加え時として抵抗権を発動することも辞さぬ、信念と勇気の持ち主でなければならぬ。

出典:法の基本構造 92頁註(4) 沢登佳人著
 前記の引用文は正に時宜を得たものであると心ある読者は思われるだろう。しかしながら、当該出典が発行されたのは1968年、すなわち今から約40年前のことである。国家権力機関及びそれを構成する国家権力者たちはいつの時代においても、言葉をごまかし国民の無知につけ込んで自分たちにとって都合のいい国民を作り出そうとしているということだ。
 すっかり騙され国家権力機関および国家権力者たちを大好きな救いようのない国民はさて措き、「変だなあ、おかしいなあ」と思っている人々はごまかし・摩り替えに惑わされないように注意深く国家権力機関の活動を監視し、奴らがおかしなことをしている時には厳しい批判を浴びせることが重要だ。それこそが、我々真の愛国者の務めである。
posted by 闘うリベラル at 16:59| Comment(3) | TrackBack(11) | 政治 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
異議なし!! と思わず叫んだんですが、1968年ですか。
この構図はずっと変わらないのだなぁ。ややげんなりしてます。
PS 亀田の記事を書きかけたのですが、試合に比例して記事もつまらなくなりボツになりました(笑)。
Posted by dr.stonefly at 2006年12月22日 01:53
stoneflyさん、こんにちは。
何千年前から権力者の考えることは変わらないようですな。ただ昨今の日本の場合、かつての権力者たちができなかったことができるようになってしまったという点は過去と異なることでしょうかな。持たざる者達の諸々の力が弱体化していることの現われでしょう。
 亀田はまあどうでもいいですわ(笑)。
Posted by 闘うリベラル at 2006年12月22日 16:49
はじめまして、TBさせて頂こうと思っている者です。
愛国心という言葉、かなり難しかったようですね、昔から。
先日タマタマ小熊さんの高価な本の書評(吉川 勇一さんという方の)を
見つけまして、読んで、頭がパンクしました。
http://www.jca.apc.org/~yyoffice/DokushoFun-Oguma-MinshutoAikoku.htm

戦後においてさえ、こうも言葉の意味合いが違うのか!と。

90年代の論客の「不勉強」を故・藤田省三氏が
叱っているのを読んだことがありましたが、
難しすぎて理解不能でした。でも今回この書評を読んでみて、少し分かりかけた気がします。

ではでは。
今後ともよろしくお願いいたします。

Posted by 建つ三介 at 2006年12月22日 21:31
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